斜子織(ななこおり)

織り

今回は平織の組織を変化させた「斜子織」をご紹介します。魚卵の粒のように見えることから「魚子織」と呼ばれてもいます。

斜子織は経糸と緯糸を2本以上の糸を引きそろえて、平織にしたものです。平織の変化組織ということになりますね。

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たて糸とよこ糸を引きそろえて平織にしたものが、斜子織です

たてよこ2本ずつ引きそろえた平織

 

 

こちらの写真が実際に織ったもの↑ 上から1段目の織り地が斜子織りになり、経糸緯糸が2本ずつ交互になっているのがわかりますね。

織りあがった目の角にすきまができているのもみえますが、このすきまがあることで、空気が通りやすく、夏物の服地に使用されることが多い生地です。また、目が詰まっていないので手触りがやわらかです。

斜子織を含め平織を変化させた組織は多く、その活用範囲も広いので、多くの服地やファブリックに使用されています。

私たちは毎日服を着て過ごしています。四季の温度や湿度、またファッション性や個人独自の好みで、身に着ける服は変わってきます。けれど、どんな服でも生地でできていて、その大本をたどれば1本の糸が織り重なってできたものです。

お店に行けば、いろいろなもの販売されていて、好きな服やバッグ、クッションやカーテンなど手に入れることができます。それは素晴らしいことです。私も好みのものが見つかれば、ウキウキワクワクしますし、手に入れれば、どんな時に使おうかなと考えることも楽しいです。手軽に手に入ることは素晴らしいと思います。

それとは反対に、自分で時間をかけ作り上げたものも愛おしいと思っています。

季節によって1本の糸を選び、どんな織り方にしようかを決め、織り機にセットしてカタンカタンと織る。出来上がった織り生地は、希望の形に仕上げられて着たり巻いたりすることができます。長い作業だな~と感じます。だからこそ愛おしい1枚が出来上がった時は格別のときなのですね。

織り方の記事から少し脱線してしまいましたが、平織は基本中の基本であること、そこから広がっていく織りの世界があることを、ぜひ楽しんでみてくださいね。

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