アロマという言葉はいろいろなところで使われています。コーヒーの香り、オレンジやいちごの香り、街角でどこかから流れてくるバラの香りも「アロマ」です。
ゴミの臭い、土のむせ返る匂いは芳香とは言わないので「アロマ」と呼ぶこともありません。
私たちにとって良い香りを「アロマ=芳香(芳しい香り)」と呼んでいます。
アロマテラピーは芳香療法と訳されますが、花や葉、果皮、種子、根、樹皮、芯材から抽出した自然界にはない濃厚な液体です。希釈の記事で解説していますが、濃縮されているので、必ず希釈して使用し、できれば成分について情報は知っていた方がいいとも思います。
希釈についてはこちら ↓

自分にとって芳しい香りを利用し、心や体を整えていく、香りのブレンドを楽しんで空間に漂わせて潜在意識=大脳辺縁系に働きかけ気持ちよく日々を過ごす。
アロマテラピーの精油を使って、暮らしを豊かにしていきましょう。
アロマティックノート①
アロマティックノートは、アロマフレグランス香調の醍醐味ともいえるハーブ様の香りを持っています。香草とも呼ばれ、清々しいフレッシュさがある香りを持つものも多くあります。
草っぽい、ラベンダー様、ふんわりとしたナチュラルな軽い香り…などがアロマティックと感じている方が多いかもしれません。このアロマティックである草っぽい香りをどう活かしてブレンドしようかと考えるのも楽しいですよね。
トリートメントオイルを作成するときには、特徴的で癒しにつながるハーバルな自然の香りも、アロマフレグランスとしてブレンドしてみると、フレグランスとして構築していくむずかしさを感じます。
特徴的なハーバル様、ラベンダー様の香りが、香水としてのまとまりから一歩抜け出しているようにも感じることもあります。
もちろん、ハーバルを全面に出していくという香調やラベンダーを強く感じさせる香水ならOKです。
全体的なまとまりを作るという面で考えなければいけないのは、他の精油との流れとなじませることを大切にしたほうがいいのではと感じています。
クラリセージ
アロマテラピーでは、女性ホルモン様の作用があるスクラレオールを含んでいることで女性のクライアントに使用したり、酢酸リナリルを多く含むためリラックスに使用することが多いクラリセージ。
フレグランスとしては?と調べてみると、男性の香粧品の香りとして使われることが多いそうです。
特徴成分であるスクラレオールの香りは、マッコウクジラの分泌物であるアンバーグリス(現在は合成香料)を連想させる香りだそう。
アロマテラピーでは動物性香料は使用しないので、代替としてクラリセージを使用してみるのも香りの幅が広がるかもしれませんね。
クラリセージ…やや甘く少しナッツのような香り マスカットのような こてッとした油っぽさが遠くの方に香る パウダリックな ナチュラル感 鼻から顔全体に香りが広がる重厚感
- ミドルノート 香りは中
成分は
- 酢酸リナリル
- リナロール
- ゲルマクレンD
- スクラレオール
- α‐テルピネオール
クラリセージを感じさせる香水
- パトゥプールオム パトゥ
同じシソ科のセージを感じさせる香水
- ウッドセージ&シーソルトコロン ジョーマローン
ジャーマンカモミール
アロマティックノートに分類してありますが、ブルーの液体がきれいなこの精油は、
- アロマティック
- パウダリー
- アクア
にも分類される時があります。アロマや香水、精油の書籍を調べてみると、パウダリックな印象、水を感じさせる要素をもつと記されています。
個人的にもアクアな印象を感じますし、この色合いを活かしたブレンドを作ってみたいとも思ってしまいます。
ローマンカモミールと並べられることが多いですが、ジャーマンカモミールの薬のような清浄感あふれる香りが大好きです。
ジャーマンカモミール…薬のような 干し草のような 繊細な やや甘い りんごのような 青臭い 透き通るような パウダリックな 落ち着きを取り戻すような ザラザラした
- トップ~ミドルノート 香りは中
成分は
- ビサボロール誘導体
- ファルネセン
- カマズレン
ジャーマンカモミールを感じるアイテム
- ジャーマンカモミールフローラルウォーター フロリハナ
- ジャーマンカモミールフローラルウォーター KENSO
- ジャーマンカモミール精油 生活の木
スイートマージョラム
アロマテラピーを学び始めてから、香りの捉えどころがなく、よくわからないなと思ってしまうスイートマージョラム。
香り自体はしっかりと香っているのだけれど、何に似ている香りとか連想できるものがなく、毎回「はじめまして」の感覚におちいってしまっています。
甘いのか、草っぽいのか、ツンとくるのか、あいまいなのか良くわからない…
ブレンドするときに使いどきが一番むずかしい香りだなと感じていますが、講座の中で、なんなくその壁を乗り越えて素晴らしいブレンドをしてくださる方もいたりして…
スイートマージョラム…ハーバルな 少しピリッとした スパイシーさ おだやかな やや甘い グリーン様 土っぽい 落ち着いた
- トップ~ミドルノート 香りは中
成分
- テルピネン‐4‐オール
- γ‐テルピネン
- p‐シメン
- サビネン
スイートマージョラムを感じるアイテム
- スイートマージョラム精油 生活の木
- オーガニックスイートマージョラム精油 クイーンメリー
スペアミント
今ではあまり見かけなくなった板ガム。ロッテのペパーミントガムが有名ですが、ライオンのマークのスペアミントガムを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
1954年に発売したスペアミントガム。
ペパーミントより辛みが弱く、どちらかというと爽やかな甘さが鼻を抜けていく感じで、アメリカではスペアミントの方が人気だそうです。
精油で嗅いでも、ペパーミントよりも爽やかさ甘さが広がり、優しい印象です。
アロマフレグランスに使用するときは、トップノートに香りの大部分が強く出るので、滴数に気を付けること。時間が経ちトップが消え入るころに、残香としてのスペアミントは涼やかな印象を与えることができると思います。
スペアミント…爽やかさの中に甘さ 涼しい風が吹くような 草原をわたる風のような 清浄な 清潔感 はっきりとした クリアな 氷のような スッとした 青く透き通った青空 しんとした 雹ののようなつぶつぶ
- トップノート 香りは中
成分は
- カルボン
- リモネン
- 1,8シネオール
- テルピネン‐4‐オール
スペアミントを感じられる香水
- スノーミント 武蔵野ワークス
メリッサ
メリッサはその香りがミツバチが好み、寄ってきたというところからミツバチを意味するメリッサと呼ばれるようになったそうです。精油ではそのままメリッサと呼びますが、ハーブティーなどではレモンバームと呼ばれています。葉をもんで薬としたり、ハーブティーのようにして飲んだりと、不老長寿の薬として古くから使われてきたとされています。
同じシソ科のペパーミントによく似た葉の形をして、パッとみるだけでは区別がつきませんが、こすってみるとレモンのような香りがするので、レモンバームだ!とすぐにわかります。
成分でみると
- ローズやゼラニウムに含まれているゲラニオール
- ラベンダーやベルガモットに含まれている酢酸リナリル、リナロール
- レモングラスに含まれているシトラール
- レモンやオレンジに含まれているリモネン
と、花の香り、果皮の香りなどの成分が混合されていて、複雑な香りを醸し出しています。
葉を水蒸気蒸留法で抽出すると、メリッサ精油ができるのですが、収油率が少ないので販売時には高価な精油となってしまいます。
レモングラス精油の香りに似ているので、レモングラス精油と何かを混ぜて偽和(似せて否なるもの)精油が販売されていることもあるようですが、最近ではアロマテラピーの協会に属しているメーカーが多いので、信頼されるものが多くなっているようです。
とはいえ、高価な精油には変わりないので、レモングラスとラベンダーをブレンドして、メリッサに似たブレンドを創ってみたりすることも楽しいでしょう。
メリッサ…ツンとするレモン様の香り 草の青臭さ ハーバルな 頭の一点を突き抜けるような染みる香り ザラザラした レモングラスのような 草原 乾いた葉っぱのような清涼感 甘さが隠れている複雑な香り ギザギザした
- トップ~ミドルノート 香りは中
成分は
- シトラール
- β‐カリオフィレン
- シトロネラ―ル
- ゲラニオール
- リナロール
- リモネン
メリッサを感じられるアイテム
- デイクリーム メリッサ ドクターハウシュカ
アロマティック系①の精油に合う精油
- オレンジ
- グレープフルーツ
- ベルガモット
- マンダリン
- レモン
- ライム
- サイプレス
- シダーウッド
- ジュニパー
- パイン
- プチグレン
- フェンネル
- ペパーミント
- ローズマリー
- レモングラス
- フランキンセンス