アロマと思考

アロマと思考

顕在意識と潜在意識

意識には【潜在意識】と【顕在意識】があるということを知っている方も多いと思います。

最近では、本やYouTubeで潜在意識について教えてくれる動画がたくさんあるので、一度くらいは読んだり見たりしたことがあるのではないでしょうか?

普段私たちが「ああしよう、今度はこうしてみよう」「夕飯はカレーを作るから、豚肉と玉ねぎと…」なんて考えてる思考。これを「顕在意識」と呼びます。

意識のうちの約95%くらいが顕在意識で、自分でしっかりと意識できている思考になります。

顕在意識に対して、本人が自覚していない領域、無意識に~と言う言葉も簡単に使ってしまうこともありますよね。

その無意識という、よく本人も実態はわからず使ってしまったりする領域を「潜在意識」と呼びます。全体の約5%くらいと言わていますが、もっと少なくて1%くらいかもとも言われています。

顕在意識は、大脳新皮質の領域のものであり、知性や理性が働いています。判断したり制御したりする箇所です。不安が少しでもあれば、何かと理由をつけ言い訳したり、行動を起こさなかったりとなかなか手ごわい意識でもあります。

それに対して潜在意識は、古い脳と言われる大脳辺縁系という部位が司どっています。大脳辺縁系は古い脳=旧脳、私たちの感覚器の中でただ一つ、嗅覚が関わるので嗅脳とも呼ばれています。

大脳辺縁系は生命維持や本能的行動に関わっていて、例えば、動物が敵に襲われそうになったら反射的に逃げる、身を隠す、反撃するなどをしますが、その一瞬にして行動に移すとっさの判断や、こうしたほうがいい!と瞬発的に決めています。そうでもしないと、自分の身が危ないので、ゆっくりと慎重に考えていることなんてできませんよね。

魚類、両生類、爬虫類はこの大脳辺縁系がほとんどを占め、命を守ったり、次の世代へと種族保存のために働いています。

哺乳類は、高度な知能や思考力に富む大脳新皮質の割合が多くなります。特に人間は、言語力や道徳力、義務感を持ち合わせているので、日常の生活のなかで、ルールを守る、コミュニケーションをとる、また、そのことがうまくいかない場合、自分を責めたりする念までも持っています。

95%の顕在意識でルールを守ったり、自分の考えをまとめたり、人のことを気遣ったりとそれはそれは大変な役割をしています。顕在意識がなければ、制御する人が誰も居らず、この世界は誰もが好き勝手にやりたい放題になってしまうかもしれないのです。

きっとそれではこの世界は成り立たないでしょう。はて?私は潜在意識のすばらしさを書きたかったのですが、顕在意識のことを褒めまくっていますね。しかし、こう考えてみてください。この世界はどれをとってもバランスでできているからです。

潜在意識って素晴らしい!けれど、顕在意識もすごく素晴らしい!と思っています。95%の顕在意識は何のために95%もあるのかっていうことも、考えてみたいのです。

必要だからある。必要じゃなければ淘汰されているはずじゃないかと。どっちもあるから素晴らしい、けれどバランスをもう少しとってもいいんではないか?と。

自然界も人間もバランスが大切

潜在意識についての本や能力開発があることは、多くの方がご存じだと思います。もちろん私も潜在意識についての本は多く読んできました。

20年来の仕事であるアロマテラピーを学んでいると、自然療法や中国医学にも詳しくなっていきます。また、風水などでも中国の思想を色濃く学ぶので、この世界はバランスでできているのだと知ることができました。両面があるということになります。

「陰陽」「凸凹」「表裏」「光と影」などの言葉が、両面を表しています。

「陽極まれば陰に転じ、陰極まれば陽に転じる」というこの言葉は宇宙全体の考えを表しているのですが、

日本には四季があり、冬至は、まさに夜(陰)が一番長く極まったから昼(陽)に転じていき、これから昼(陽)が長くなり夏至には、昼(陽)が一番長く極まったから夜(陰)に転じて夜がだんだんと長くなっていく。その間に春分、秋分があるのですね。

最近の日本では、春夏秋冬の四季というより、気温的に夏冬のイメージが強いですが、天文的には、自転しながら太陽の周りを公転する地球の動きは、太古から変わっていないのです。

どちらか一方がずっと強いままではなく、反転して弱かった方が強くなっていく。人の体も、交感神経が優位にたてば興奮、闘争モードに入り、副交感神経が優位にたてば鎮静、安定モードとなります。

いちいち考えなくても、朝目覚めて交感神経が働き、血圧が高くなり、行動的になります。夕方ともなれば、副交感神経が働き、ゆっくりとお休みモードに入り始めて血圧が下がり始めお休みモードに入っていくのです。これを自然と行っているのが宇宙ジグソーパズルの一つのピース、人間の不思議な力です。

気づかずに行っていることやなんとなくの感覚。理由はないけれどきっとこっちのほうがいいという謎のひらめき。

感情的、無責任と言われることもあるような、判断の仕方。それでも本人の感覚がワクワクしたり、クリアな清々しい気持ちになったり、反対にザワザワともやもやとした雲がかかったような感覚は、潜在意識が優位になっている時だと感じ取れること。

感情でものごとを決めてはいけないと言われる時がありますが、人間の感情は「喜怒哀楽」があるのが常で、AIやロボットではないので、喜怒哀楽を忘れて生きていくことはできません。

全てを感情で決めろと言うのではありませんが、感情を抑え込みすぎると、心が置き去り状態になり、本当はどうしたいのかさえわからなくなります。

ときどきはどうしたいのか、泣きたいの?怒りたいの?笑いたいの?喜びたいの?と問いかけてあげてください。

ネガティブな感情が沸き上がってきたとき、その感情をだめだと決めつけるのではなく、やさしく「そんなこともあるよね、自分は怒っているんだよね、悲しいんだよね」と認めてあげると、ネガティブな思いは落ち着いていきます。

ネガティブな思考がいけないわけではなく、必ずあるものですから、だんだんとポジティブ寄りの思考を増やしていけるように、本を読んだり、趣味を楽しんだりしてみてください。

香りで潜在意識をたくましく

それでもネガティブな気持ちが晴れていかないよ~というときは、香りを嗅いでみてください。好きな香りは大脳辺縁系にダイレクトに働きかけてくれます。たくましく生きる脳の大脳辺縁系に、たった0.2秒で届いてくれます。

好きな香りであれば、癒しやリラックスをもたらしてくれ、アロマテラピーの精油で作用がはっきりとわかっている場合は、鎮静、加温(心を温める)、リフレッシュなどの作用を受け取ることができます。

自分を振り返る時間を持つこともできますし、気持ちを後押ししてくれ、一歩の勇気をくれるかもしれません。

香りを使って思考を見直していくことに繋がっていき、それが小さなきっかけとなり、新しい世界観が広がっていくことでしょう。

香りを嗅ぐことは、たくましく生きる脳を育て、土台をつくること。何回も繰り返し香りを嗅ぐことで、直観力を育て気分を保つことがラクにできるようになり(たくましく育っている)ポジティブ要素に気づくことができやすくなります。

少しのことでは動じない心や、前に向かう力を、毎日の生活の中で育てられるのが香りを嗅ぐことなのです。

朝の食卓のフルーツでも、街路樹の花の香りでも、カフェの香ばしいコーヒーでも、好きな香りを嗅いで、自分の鼻=花を育てていきましょう。

その中でも、アロマテラピーで使われる精油(エッセンシャルオイル)は、花や葉、果皮や種子など植物の成長や防御のためのエッセンスを凝縮したものです。

自然界ではないくらい濃縮された液体ですから、使い方によって精油の力の恩恵を受けることができます(希釈して使用)

苦手な香りより好きな香り。これが潜在意識に良い影響をもたらしていくので、積極的に嗅いでみてくださいね。

2週間くらい使った精油は、他の精油に切り替えていくこと。例えば、ラベンダーを2週間使ったら、オレンジを2週間使用し、またラベンダーに戻す方法です。

人には「慣れ」という現象があります。同じ精油をずっと使い続けていると、慣れてきてしまい量を多くしたり、香り自体が好きではなくなったりということがおきます。そんな時には、同じ作用を持つ精油で香りがちがうものや、他の好きな精油に変更することをおすすめします。

また、同じ精油を使っていると、「この香りはもういいかな…」ということも起きます。使っていた精油の香りや成分を十分に受け取り、気持ちも変化したということでもあり、そのサインがでてきたら他の精油に変更するタイミングです。

そこからまた新たな香りを選んで、アロマ生活を楽しみながら大脳辺縁系を育てていってくださいね。

 

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