アロマやハーブを使った香りのある生活をしていると、アロマテラピーで使う精油はもちろんですが、毎日の食卓にのる果物やスパイスなど香りがある食べ物も何か力があるのだろうなあと気になってきます。
1年ほど前に体調を崩してしまったことをきっかけに、漢方や薬膳の勉強を始めました。資格も取得しましたが、まだまだこれから…。私自身の学びも含めて、香りや薬膳のことをちょっと知りたいなという方のお役に立てればと思い、今回は薬膳について書いてみようと思います。
ストレスは気滞となってあらわれることも
仕事が忙しかったり人間関係がうまくいっていないときのストレスって、誰でも経験したことがありますよね。
ストレスは気を滞らせる原因にもなり【気滞】となってあらわれることもあります。
私は昭和世代ですから、週休1日でがんばっていた時期もあり(週休2日は夢のような…)当時は若かったとはいえ、ストレス解消のため花金(古い…)にカラオケや飲みに行ったり、好きなアーティストのコンサートへ行ったりと目まぐるしく過ごしていました。疲労が抜けなくてイライラ、もやもやとストレスで気の流れが滞っていたと思います。
ストレスや忙しさで気の流れが滞り、エネルギーがうまく回らないときに活躍するのが香りのある食材や精油なのです。精油を嗅いでみると、ス~ッとしていたり、柑橘のフレッシュでビタミンを得たようになったりと、エネルギーが湧いてくるようにも感じます。
実際に香りは大脳辺縁系(潜在意識)に0.2秒で届き、そこから自律神経系や免疫系、ホルモン系の働きを整えるようつながっていきます。
アロマテラピーの精油だけでなく、食卓にのぼる食材の香りも同じこと。精油に比べて香り成分は薄いので、香りの働きは少なくなるでしょうが、なんだかほっとする、リラックスできたなど気持ちの変化が感じ取れるのではないでしょうか?
旬の香味野菜を料理にひとつまみ入れたり、飲み物に浮かべて楽しんだりすることで心と体の気の流れを良くしてくれます。
書店に行くと「薬膳」「漢方」の書籍が多く並んでいますから、好みの本を参考にしたりするのも良いかもしれません。
薬膳では旬のものを取り入れる、香りを取り入れることで、体を整え気を巡らすことができます。
気軽に長く続けるためにも、きちっとした薬膳とかまえるのではなく、スーパーで売っているいつもの食材、旬で出回るもの、地産のものを意識して使ってみようか~ぐらいでいいと思います。
今回は春夏秋冬の【春】のポイントを書いておきますので、毎日の料理に取り入れてみてくださいね。
春夏秋冬の過ごしかた
薬膳も漢方も中医学がもとになっていて、森羅万象や季節のこと、体の変化なども、陰陽五行に当てはめて考えられています。
春になったら新しいことを始めたい!とか、夏になったらはっちゃけたいほど元気に行動したり、秋になったら訳もないのに悲しい、冬はじっとして栄養も知識も蓄える…これは私たちが自然と一緒に生きているという証拠。
植物だったら春になったら芽吹き、夏になったら葉を生い茂らせぐんぐんと成長し花を咲かせ、秋になったら美味しい実りの季節がやってくる。冬になると土にかえり、じっとしてまた春の再生を待つ…というサイクル。
宇宙の星さえ、春夏秋冬に見える星座は変わり空気の澄み具合もちがいますし、月の満ち欠けも自然界に影響をもっています。
養生はそのサイクルに逆らわず則して過ごしましょうと言う考えでもあります。それでは、春夏秋冬の過ごしかたをみていきましょう。
五行
東洋医学の五行思想に基づいて、人間の五臓、五体、自然界の現象の季節、方角、色、味など五行の特性を分類してあります。
五行は
- 木
- 火
- 土
- 金
- 水
に分けられています。
春の過ごしかた
春の五行配当表は
- 肝 五臓
- 生 五能
- 怒 五志
- 東 五方
- 風 五気
- 青 五色
- 朝 五刻
- 苦 五味
長い冬を越し、心も体も自然界も動き出す季節。中にこもっていたものが外へと出されるので、かゆみやアレルギーなどが出やすくなったり、なんだかソワソワ、イライラした心持ちになったりします。外に出そうとする(解毒)には肝に負担が大きくなり気が高ぶりやすくなります。
自然界でも芽吹き、成長する季節ですから、私たち人間もどんどん伸びていくものを押さえつけずのびのびとさせることが肝心です。
五味は酸味となり、酸っぱいものが対応していますが、食べ過ぎると肝の負担になり働きを妨げてしまうので、とりすぎないように。肝臓の働きを補う、ほんのりと甘さのある食材を採り入れましょう。
またアロマやハーブの香りを利用して、気持ちをゆったりと。
春おすすめの食材や香味野菜
- セロリ
- キャベツ
- ハッカ
- 春菊
- セリ
- タケノコ
- 玉ねぎ
- レモン
- オレンジ
- 菜の花
- 菊花
- ターメリック
- たんぽぽ茶
- さくら茶
- フェンネル
- ジャスミン
春おすすめのアロマ
- ティートリー
- スイートオレンジ
- グレープフルーツ
- レモン
- ベルガモット
- プチグレン
- イランイラン
- ローマンカモミール
- ジャスミン
- ネロリ
春おすすめアロマブレンド
- ベルガモット 5滴 (酸)
- プチグレン 3滴 (苦)
- ネロリ 2滴 (甘)
ベルガモットは甘さと酸っぱさを兼ね備えた柑橘系の香り。プチグレンは葉と小枝の苦味のある香り、ネロリは花の甘さを含んでいます。アロマテラピーの精油は食べることはできませんが、香りを嗅ぐことで春の酸っぱさと甘さを意識したブレンドが出来上がります。